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狭心症と心筋梗塞


 胸の真ん中にある「心臓」は規則正しく一日約10万回の拍動を繰り返すことで、脳から手足の先、お腹の中の全ての内臓に新鮮な血液を送り続けています。「人間は心臓のおかげで生きている」という事は皆さんご存知の通りです。ただ、その心臓も筋肉の塊ですから、タダで働くことはできません。心臓が動き続けるためには、心臓自身も沢山の栄養をもらう必要があるのです。
心臓が栄養を受け取るための仕組みとして「冠動脈」が重要です。上の絵にある心臓表面の赤い細い血管です。心臓から吐き出された新鮮な血液は全身へめぐりますが、心臓の出口から心臓周囲へと流れ込む血管が生えています。大動脈の根元にあるので、最も新鮮な血液が最初に流れ込みます。これが冠動脈です。入り口は2箇所ですが、一本はすぐに2本に分かれますので、合計で3本の冠動脈が心臓全体の栄養を管理しています。心臓を養う血管ですから、「人間の体で最も大切な血管」と言えますが、直径は中間部分で3mm程度と意外と心細いサイズです。この冠動脈に動脈硬化が起こると、血管の壁に溜まった脂分(プラーク)が血管の内腔を狭めてしまい(狭窄)、心臓の筋肉への栄養が不足します。普段の生活では症状が起きませんが、運動をした時、重い荷物を持った時、布団の上げ下ろしの際など、心臓が普段より沢山の栄養を必要とする際に、供給が追いつかず発作が起こります。これを労作性狭心症と言います。患者さんは「胸を締め付ける感じ」、「息苦しい感じ」、「圧迫される感じ」などと表現します。発作は安静にしていると5-15分で自然に軽快します。ニトログリセリンというお薬を舌の下で溶かすと発作が治まるのも特徴です。この発作が運動に関わらず安静時に起こる狭心症があります。この場合、狭窄はプラークによるものでなく、冠動脈の攣縮(けいれん)が原因です。動脈硬化の初期段階とも言われますが、本来一定の直径を維持しておくべき冠動脈の機能異常により痙攣が起こり、その先の血流が低下してしまうことが原因です。労作性狭心症と同じく「ニトロ」が有効です。いずれの狭心症も症状は一時的です。このため命に関わることはありません。一方、冠動脈が完全に閉塞し、20分以上が経過すると、心臓の筋肉は栄養の途絶から壊死を起こしてしまいます。これを「心筋梗塞」と言います。乱暴な言い方をすると「心臓の筋肉が腐る病気」です。心筋梗塞になると、10人のうち3人が亡くなると言われる怖い病気です。病院にたどり着けば死亡率は10%以下になりますから、一刻も早く病院にたどり着くことが重要です。亡くなる理由は急性心不全、心臓破裂、危険な不整脈です。狭心症も心筋梗塞も原因は動脈硬化ですから、その危険因子とされる、年齢、遺伝、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、腎臓病のうち、治療が可能なものについては積極的な治療を受けておくことが予防に重要です。「年齢や遺伝はどうしようもないですよね」という質問を受けることがあります。そのような方は、しっかりと定期検診を受けること、治せる習慣(喫煙や肥満)や疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症)に対してより早めの対処を行うことが重要ですね。


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